世界遺産に詳しくない人にもあまりにも有名なノイシュバンシュタイン城。多くの人が一度は訪れたい場所にあげているお城でもあります。
背景には澄んだ湖、フォルゲン湖を携え、緑深き森の中にたたずむ美しい白亜の城。その外観の美しさはもちろんですが、内観も本当のおとぎ話の世界がそこにあります。
今回は、あまり知られていないノイシュヴァンシュタイン場の中側も含めた城全体の魅力を紹介します。
ノイシュバンシュタイン城の魅力
美しい白亜の城
まるでそこにテーマパークがあるかのような計算つくされた外観。ディズニーのシンデレラ城のモデルともいわれています。
マリエン橋 Marienbrücke
最も美しいとされているのが、マリエン橋からの眺めです。上の写真はマリエン橋から撮られたものです。城の全体がはっきりとわかりますね。
山と山をつなぐ橋で、こんな立地に建てられています。
高所恐怖症にはつらい場所・・・。
バイエルン王ルードヴィヒ2世
<バイエルンの美しい自然に囲まれて育った王は自然を愛していた>
この城を建てたのは、ルードヴィヒ2世。「おとぎの国の王様」として歴史に名を残した王です。
「おとぎの国の王様」と呼ばれた所以は、ルードヴィヒ2世が、聡明で背の高い美男子であったこと、孤独・夢想的であり、諸城郭建築へ情熱を注いだことやワグナーへの心酔など、浮世離れした感性の持ち主であったことからだと言われています。
そんな王が作った城はまさに「人工的楽園の夢見る城」。
他にも、ホーエン・シュヴァンガウ城、リンダーホーフ城、ヘレンキームセー城などがルードヴィヒ2世にまつわる城は数多くあります。
そもそもおとぎの世界の城として建てられた
ルードヴィヒ2世がワーグナーのオペラの舞台となった城を再現することを夢見てつくられた城です。
「白鳥の城」とも呼ばれる理由は、そこからきているそうです。
実は未完成の城
実は、2/3は、未完成のままです。
内部ツアーも未完成の部分には入ることはできません。
見学は内部ツアー
20~30名を1グループとし、グループ単位で場内をまわります。約45分ほどのツアーです。
いろんな国の人がいますが、グループで一番多い国の言語がテープで流されて、その他の人はオーディオガイドを使っての説明になります。もちろん日本語での説明を聞くことができるのでご安心あれ。
ノイシュヴァンシュタイン城の内側
外からの印象と違い、内部はとても豪華絢爛なつくりとなっています。
<画像は、城郭ガイドブックより>
①王座の間 トゥローン・ザール
王座の間という名にふさわしくきんきらきんのゴージャスなつくりです。
壁画やモザイクにも動植物のモチーフを取り入れており、ルードヴィヒ2世の自然愛がうかがえます。
②食事室 シュバイゼ・ツィンマー
食卓上の彫像は高さは1mを超し、重さは約130kgだそうです。
③寝室 シュラーフ・ツィンマー
この部屋のふんだんにある樫の木彫りが恐ろしく精密な細工でできています。14人の木彫り師たちが合計で4年半もの歳月をかけて仕上げたそうです。すごい‼‼
寝室の絵画は、ワグナーの「トリスタンとイゾルデ」から。
④礼拝小堂 ハウス・カッペレ
寝室に隣接して王自身用の礼拝室が設けられています。
⑤化粧室 アンクライデ・ツィンマー
天井には小鳥と枝葉の絵が描かれています。ここでもルードヴィヒ2世が自然を好んでいたことが偲ばれます。
⑥居間 ヴォーン・ツィンマー
ワグナーのオペラ白鳥の騎士「ローエングリン」に傾倒した部屋になっており、壁画もその1場面のもの。
白鳥のモチーフが板張り、テーブルクロス、カーテンの刺しゅうなどにも使われていて、徹底しています。
⑦人口鍾乳洞
城の中に鍾乳洞を作ってしまいました!この発想はなかった!
小さな滝あり、カラー照明可能の本格的なつくり。
外観よりも内部のほうがさらに本当におとぎ話のようです。
鍾乳洞は残念ながら危険のため内部ツアーでは見ることはできません。いずれか見れる日が来ることに期待します。
⑧書斎 アルバイツ・ツィンマー
王の仕事部屋。壁画は、ワーグナーのオペラ「タンホイザー」から。
⑨歌人の広間 ゼンガー・ザール
ここにもワーグナーのオペラの壁画がたくさん描かれています。
ぜひとも優美な気分に浸っていただきたいです。
⑩調理場 シュロス・キュッヒェ
19世紀後半のものとして、かなり技術的に画期的な機能を搭載した調理場です。
お湯も出る水道、安全自動回転グリル器、オーブンの煙は床下を通って排出されるシステム、オーブンの予熱で食器をあたためるシステムなどがあったそうです。
最後に
王は、最後に「城を破壊せよ」と言い残したそうです。
城は破壊されることなく、今日もこうしてみることができます。
現在非公開の場所も公開される日を願って・・・。