ポンペイは街一つがそのまま遺跡として残った貴重な古代遺産です。長い間、灰に埋もれていたため、雨風で風化することなくきれいなままの姿が残っているのも特徴の一つです。
今回は、ポンペイの見どころを紹介します。
目次
ポンペイとは
ヴェスヴィオ火山のふもとにある古代ローマの地方都市であった、ポンペイ。大噴火により街は灰と泥流に埋もれ、18世紀に当時のスペイン国王、カルロス3世の命で掘り起こされるまで、1700年前の姿がそのままに封印されていました。
当時の街には、織物工や金細工師、染色工だけでなく、外科医や薬剤師などもいたそうです。
居酒屋やパン屋、娼館のほか公共浴場やプールを備えた体育館。野外劇場、闘技場、さらに神殿や市庁舎、市場が並ぶ広場もありました。
活気ある街の息遣いを感じる、その姿を今日もはっきりと目にすることができます。
ポンペイ遺跡の見どころ
1.車道と飛び石
道路は割石で舗装されています。車道には飛び石が置かれ、雨の日でも車道にたまった水で足が濡れないように工夫されています。
飛び石は馬車の車輪が通れるように置かれており、馬車が通って地面についた轍が今でもはっきりと分かります。
2.ファウヌスの家 Casa del Fauno
貴族階級や富裕層の家はまさに大豪邸です。
ファウヌスの家はポンペイで最大級の個人住宅。アトリウムと呼ばれる玄関は二つ、柱で囲まれた中庭も二つあり、そこには趣向を凝らした花壇や泉水が配置されています。
談話室の床には巧な彩色モザイクが施されています。
3.ポンペイ円形闘技場 Anfiteatro romano di Pompei
2万人も収容できたそうです。
町外れの城門のそばにありますが、ポンペイの街の外からも観客が訪れ、混乱を避けるためにこの場所につくられたそう。
4.ヴェッティの家 Casa dei Vettii
この家の壁画はとても保存状態が良く、美術館に飾ってある絵のようです。
この家の庭にある天使のブロンズ像には、天使が持っている鳥のくちばしから水が出てくるよう細工がされています。
当時の技術力の高さに驚かされます。
こんなに美しく鮮明な色づかいの絵が地面から出てきたら発掘した人はさぞかし驚いたと思います。
5.悲劇詩人の家 Casa del Poeta Tragico
一般住宅も負けてはいません。一般庶民は、2階建ての集合住宅の一室を間借りして住んでいたそうです。
悲劇詩人の家には玄関の床に犬のモザイク画が施され、「猛犬に注意」という注意書きがあります。この家の番犬でしょうか。ユーモアが感じられますね。
6.秘儀荘 Villa dei Misteri
ワイン製造場、圧搾機、貯蔵用の壺、農機具を保管する部屋などがあります。
『ディオニュソス秘儀の図』は、壁面全体を覆いつくすほどの大作で、「ポンペイの赤」と呼ばれる見事な赤い背景色が今も褪せることなく美しさを放っています。
7.銀婚式の家 Casa delle Nozze d'Argento
中庭の大規模な列柱廊が見事です。
プールが完備された個人宅でした。