こちらの古城は、つい最近まで現存していました。
しかし、2017年10月現在は取り壊されて無くなってしまいました。
今回は、この美しい城のご紹介です。
目次
ミランダ城とは
今は亡き古城
ミランダ城は、ベルギー・ナミュールのアルデンヌ地方のセルスにある19世紀のネオ・ゴシック様式の城でした。
でした、というのは、2017年10月現在、この城は完全に破壊されてしまい、現存していないからです。
40年の歳月をかけて造られた
1866年にフランスの革命時に旧家のヴェブス城を出ていた、リエデケルケ・ビューフォート伯爵家の依頼で、イギリスの建築家エドワード・ミネルナーによって建てられました。
ミネルナーは城が完成する前に死去。建設は引き継がれ、1907年に完成します。中央には時計台が建てられました。
戦渦を逃れるも、放棄されてしまった古城
第二次世界大戦時にはドイツ軍によって占領されましたが、戦争によって壊されることなく持ちこたえました。
その後、ベルギー国営鉄道会社が孤児院や病気の子供のためが休暇を過ごす場所として引き継ぎ、「ノワジー城」の名で1970年代後半までキャンプ地として使われていました。(ノワジー:Noisyとは騒がしいという意味)
1970年以降は、子供向けの屋外活動やスポーツ休暇に使用されました。
持ち主は、ホテルとして改装しようとしましたが、それには莫大な費用がかかるため計画はとん挫し、1991年以降は使用されずに放置されることに・・・。
火災や暴風で城の崩壊が始まる
1995年には、火災が発生し、城の一部や屋根が焼けこげました。
2006年には、暴風によって屋根が崩壊。
それ以降、壁は剥がれ、床板が見え、柱は腐敗して、廃墟となります。
撤去が決まる
セルスの自治体は持ち主に引き継ぐことを提案しましたが、持ち主はこれを拒否。2013年には、持ち主が正式な撤去許可の申請を提出しました。
多くの人の署名活動や現存希望の声はありましたが、残念ながらその声は届かず、2016年、撤去作業が始まりました。
そして、現在・・・
今やこの古城で残るのは土台だけとなりました。
もうこの貴重な古城を見ることは叶わないのです。
最後に
せめて、この美しい城の歴史や見た目が何らかの形で残るよう、記事にしました。
最後まで読んでくださってありがとうございました。